『いい緊張は能力を2倍にする』
トムタです。
子供の頃から緊張しやすく、人前でのスピーチが苦手という私にぴったりの本を見つけましたので内容を簡単に紹介します。
著者は精神科医の樺沢紫苑さんです。
今まで私はスピーチ法や呼吸法、瞑想・マインドフルネス、脳内物質、自律神経系、睡眠、食事療法などに興味を持ち、個人的に読書をしてきました。
この本は、今まで学んだ知識の総復習のようで、多方面からの分析がされており、納得できることが多かったです。
スピーチやプレゼンに関する本はメンタル面の内容がほとんどですが、この本は脳科学から緊張のメカニズムと対策を解説している貴重な本だと思います。
重要だと思った点のみまとめていきます。
「緊張」を科学的に分析すると、
①交感神経が優位
②セロトニンが低い
③ノルアドレナリンが高い
の3つのうちのどれか、もしくは組み合わせにより引き起こされているといいます。
そのため、この3つの要素を分解して対策を取る事は非常に納得できます。
一つずつ見ていきます。
①交感神経が優位
交感神経は「昼の神経」とも呼ばれ、心拍数や血圧、呼吸数、体温を上げます。
それに対して、副交感神経は「夜の神経」とも呼ばれるようにリラックス状態となり、交感神経優位とは逆の状態になります。
つまり、緊張している時は過度に交感神経が優位であるので、副交感神経を高めることが必要です。
対策1.深呼吸
深呼吸と聞くと、何も新しくないと思われるかもしれません。
しかし、著者によると正しい深呼吸を実践している人は少ないといいます。
正しい深呼吸とは、息を吸う(吸気)時間よりも息を吐く(呼気)時間を最低でも2倍以上長くしないといけません。
「1分間深呼吸」
鼻から5秒息を吸って、口で15秒かけて息を吐ききる(×3回)
他の呼吸法の本でも、「吸気」よりも「呼気」の方が重要だから、「吸呼」ではなく「呼吸」なんだというのを見たことがあります。
緊張しやすい人はそもそも呼吸が浅い人が多いといいます。
呼吸の訓練することで、緊張しにくい体質に変えることも可能だと思いました。
対策2.笑顔
10秒笑顔になると、副交感神経のスイッチが入り、セロトニンも分泌され始めるそうです。
私も最近、笑顔の科学的な効果をこの本以外でもよく見かけるので、実践したいと思っています。
ちなみに現代人はスマホを見る時間が多くなり、大多数の人はしかめっ面になり、緊張状態を脳に刷り込んでいる状態なので、気を付けなくてはいけません。
②セロトニンが不足
セロトニンは脳の幸せ物質である以外にも、他の脳内物質の調整役でもあるということを初めて知りました。
次に出てくる緊張の脳内物質であるノルアドレナリンを調整する大事な役割と言えます。
ちなみにゾーンに入っている時は、ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンのバランスが良い状態のようです。そのバランスを保つためにも、セロトニンが重要なのです。
セロトニンを増やすためには、朝日を浴びる、リズム運動、トリプトファンを含んだ食事などのよく見る紹介もありました。
私が気になったのは、「姿勢を正す」という対策です。
姿勢を正すことは、抗重力筋を使うことであり、セロトニンが増えるといいます。
笑顔で表情筋を使うことでセロトニンを増やす効果があるので、セロトニンと表情筋・抗重力筋の関係はとても興味深いと思いました。
ノルアドレナリンは緊張そのものの脳内物質です。
脳の「偏桃体」という危険察知システムがノルアドレナリンをコントロールしています。
偏桃体が反応するのは、不安や恐怖などの過去の経験によるといいます。
そのため、過去の経験を書き替える必要があり、その方法として、徹底的に準備する、イメトレ、否定語を使わないポジティブワードなどの対策が紹介されています。
緊張=偏桃体の反応→過去の経験→書き換える対策
という流れを説明されているからこそ、よくあるメンタル法に聞こえる内容も腹落ちできました。
まとめ
・緊張は、交感神経優位、セロトニン不足・ノルアドレナリン高が原因
・正しい深呼吸、笑顔、姿勢を正す、イメトレ、否定語を使わない
トムタ
価格:1,598円 |